花粉症とは?

花粉症とは、スギやヒノキなどの植物の花粉が原因となり、くしゃみ・鼻水・涙が止まらなくなるなどアレルギー症状を起こす病気。
『季節性アレルギー性鼻炎』とも呼ばれている。
基本的には、原因となる花粉が飛ぶ時期にだけ症状が現れるが、中には複数の抗原(アレルギーの原因となる物質)に対するアレルギーを持ち、1年中症状に悩む人も。
日本における花粉症の発症件数
全国のアレルギー性鼻炎全体の有病率は39.4%。
そのうち、花粉症の有病率は29.8%、スギ花粉症の有病率は26.5%にも上る。
日本における花粉症の発症時期

1年の間で花粉の飛散が最も多いのは2月~3月にかけて。
ただ、スギ花粉だけに限らず、基本的には1年中何かしらの花粉は飛散しているので油断は禁物。
花粉名 | 主な飛散時期 |
---|---|
ハンノキ属(カバノキ科) | 1月~6月 |
スギ | 10月~5月(2月~4月がピーク) |
ヒノキ亜科 | 2月~5月 |
シラカンバ(カバノキ科) | 4月~6月 |
イネ科 | 3月~10月 |
ブタクサ属(キク科) | 8月~10月 |
ヨモギ属(キク科) | 8月~10月 |
カナムグラ(アサ科) | 8月~11月 |
ネズ(ヒノキ亜科) | 3月~6月 |
カバノキ科(オオバヤシャブシ) | 1月~6月 |
コナラ、クリ(ブナ科) | 4月~6月 |
イチョウ(イチョウ科) | 4月~5月 |
ケヤキ(ニレ科) | 4月~5月 |
マツ属 | 4月~7月 |
オリーブ(モクセイ科) | 5月~6月 |
こんな日は、花粉の飛散量が特に多いので注意が必要!
- 気温が高くて湿度が低い日
- 空気が乾燥して風が強い日
- 雨が降った翌日
花粉症の発症率都道府県別ランキング
順位 | 都道府県 | 発症率 |
---|---|---|
1位 | 山梨県 | 77% |
2位 | 群馬県 | 69% |
3位 | 静岡県 | 67% |
4位 | 埼玉県 | 65% |
5位 | 東京都 | 64% |
6位 | 奈良県 | 64% |
7位 | 神奈川県 | 63% |
8位 | 愛知県 | 63% |
9位 | 高知県 | 62% |
10位 | 香川県 | 61% |
11位 | 福井県 | 61% |
12位 | 三重県 | 59% |
13位 | 栃木県 | 59% |
14位 | 京都府 | 58% |
15位 | 茨城県 | 58% |
16位 | 千葉県 | 58% |
17位 | 大阪府 | 57% |
18位 | 岡山県 | 56% |
19位 | 広島県 | 56% |
20位 | 岐阜県 | 55% |
21位 | 愛媛県 | 55% |
22位 | 和歌山県 | 54% |
23位 | 熊本県 | 54% |
24位 | 福島県 | 54% |
25位 | 佐賀県 | 54% |
26位 | 徳島県 | 54% |
27位 | 兵庫県 | 54% |
28位 | 島根県 | 53% |
29位 | 宮崎県 | 53% |
30位 | 大分県 | 52% |
31位 | 石川県 | 52% |
32位 | 滋賀県 | 51% |
33位 | 秋田県 | 51% |
34位 | 福岡県 | 49% |
35位 | 宮城県 | 48% |
36位 | 長野県 | 46% |
37位 | 山形県 | 46% |
38位 | 長崎県 | 45% |
39位 | 新潟県 | 45% |
40位 | 山口県 | 44% |
41位 | 富山県 | 44% |
42位 | 岩手県 | 44% |
43位 | 鳥取県 | 36% |
44位 | 鹿児島県 | 35% |
45位 | 青森県 | 31% |
自身が花粉症だと自覚している人の割合が最も高いのは山梨県で77%。
山梨県に次いで高かったのが、群馬県、静岡県、埼玉県、東京都など関東・東海がランクイン。
花粉症が発症する仕組み

花粉症は、目や鼻から入ってくる花粉が原因で起こるアレルギー反応のこと。
体内に細菌やウイルスなどが入ってくると、人間の体はそれを”異物”と捉え、体を守るために『免疫抗体(IgE抗体)』を作る。
これは、人間が細菌やウイルスに負けないために重要な働きだが、アレルギー反応は「花粉」や「食べ物」など、本来は”異物”ではないものを”異物”と誤認して反応し、免疫抗体(IgE抗体)を過剰に作り出した結果、日常生活にも支障を生じる程
の体調不良を起こしてしまう免疫機能の故障といえる。
アレルギーの原因となる主な種類は下記の通り。
- 吸入性抗原(花粉、動物の毛、カビなど)
- 食物性抗原(牛乳、肉類、魚介類、小麦など)
- 薬物抗原(抗生物質、解熱・鎮痛剤など)
- 接触抗原(金属、化学物質、化粧品など)
花粉症になりやすい人、なりにくい人がいる?
個々の体質や生活習慣、食生活、住環境によって変わり、アレルギー物質に対しての許容量(受容可能な容量)は、
体質が異なるのと同じで、個人差がある。
日々生活をしていく中で、体内に蓄積された花粉の量が『許容量を超えた時』に発症するとも言われている。
花粉症の症状

花粉症は、透明のさらっとした鼻水、鼻詰まり、発作的で連発するくしゃみ、目の痒み(かゆみ)などが主な症状。
症状が重くなると、皮膚の痒み(かゆみ)や頭痛、だるさ、不眠などを引き起こすことも。
目の症状
- 流涙
- 充血
- 痒み(かゆみ)
鼻の症状
- 鼻水
- 鼻詰まり
- くしゃみ
喉の症状
- 痒み(かゆみ)
- イガイガする
その他の症状
- 頭痛
- 微熱
- 倦怠感(だるさ)
- 皮膚症状
- 咽頭痛
花粉症の際の対処法

- 「目が痒い!」
- 「くしゃみが止まらない。。。」
- 「喉がイガイガする…」
こんなことを感じたら要注意!
体の異変を感じたら、すぐに病院に行ってしっかりと診断してもらいましょう。
主な治療法
方法 | 内容 |
---|---|
飲み薬 | アレルギー反応を内服薬で抑える。 漢方薬を併用して相乗効果を利用する方法もある。 種類によっては眠気が生じるため、車の運転などは厳禁。 |
点眼薬 | アレルギー反応による目の痒み(かゆみ)、充血、腫れなどに使用。 目の痒み(かゆみ)を効果的に抑えることができる。 |
点鼻薬 | 鼻に直接スプレーすることで、鼻水、鼻詰まり、炎症に効果あり。 血管収縮剤やステロイドが含まれているため、最小限の利用が望まれる。 |
注射 | ステロイド注射…1度打つと数ヶ月効果が持続するが、副作用も出やすい。 ヒスタミン注射…アレルギー反応を抑え込む。月に1度の注射。 アレルゲン注射…スギ花粉症の治癒が目的。通院回数が多い。 |
舌下免疫療法 | アレルギーの治癒が目的。 自宅で毎日、舌の下に垂らして服用する。 2週間~1ヵ月に1度、処方のために通院が必要。 |
今すぐできる対処法4か条
- 常にマスクやメガネを着用する
- ツルツルした素材の服装を着用して花粉が付着しにくくする
- 室内に入る前に衣服についた花粉を払い落とす
- 手洗い、うがい、洗顔をこまめにする